法務問題へのコンプライアンス体制の構築③

1 はじめに

以前の記事で、コンプライアンス違反に陥りやすい状況について解説してきました。
また、それ以前には、コンプライアンスとは何かについても解説してきました。
今回は、コンプライアンス上のリスクについて、より詳細に解説していきます。

2 法的リスクの細分化

以前の記事で、コンプライアンスとして求められているのは、㋐法律のようなルールだけでなく、㋑会社内のルール、㋒倫理的、道徳的なルールまで守ることではないかという解説をしました。
今回は、そのうちの㋐法律のようなルールを掘り下げていきましょう。

企業が抱えている法的リスクと聞いたときに、どのようなものをイメージするでしょうか。
企業の行動が①法令に違反するリスクでしたり、企業の事業を所管する行政庁から②行政処分などの規制を受けるリスクでしたりは、イメージがわきやすいのではないでしょうか。

その他にも、例えば契約違反だと取引先から訴えられたとします。
自社としては契約違反ではないと考えたとしても、契約書の文言の解釈の違いなどから、裁判所が取引先の主張を認めてしまうことはありますから、③起こされた裁判で敗訴してしまうリスクもあります
また、そもそも結果以前に④起こされた裁判に対応しなければならないリスクというものもありますし、裁判を起こされたことによって⑤自社の評判が傷付けられるリスクというものもあります。
また、契約する前段階だとしても、コストをかけたのに契約が破談になってしまったり、相手方に企業秘密が漏れてしまったりといった⑥契約交渉段階で生じるリスクもあります。

このようなリスクは、企業が活動をするうえで必ず直面すると言っても過言ではありません。
現に,様々な企業がリスクマネジメントについて体制を構築し,外部に向けて公表しています。
例 ソフトバンク

それでは、なぜ細分化する必要があるのでしょうか。
それは、リスクを細分化しないと、Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかといった判断ができないからです。
今回は、法的リスクを細分化する必要性について解説していきました。
Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかを判断することの意味などについては、今後の記事で解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関わってきた経験を活かし、そもそも会社内で不祥事を起こさないための対応・アドバイスにも力を入れています。
コンプライアンス体制の構築などについてアドバイスをご希望の方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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