企業と不正競争防止法

回転ずしの運営会社の社長が転職前の競合他社の食材の原価や仕入れ先に関するデータを持ち出していた事件が大きく取り上げられました。

参考記事 

このような行為は不正競争に当たり、営業秘密を持ち出した個人だけでなく企業も責任を負うことになります。
ここでは、不正競争のうち、他人の営業秘密を奪う場合について解説します。

不正競争とは

不正競争防止法では、「不正競争」と定められている行為がいくつもあります(不正競争防止法第2条第1項第1号から第22号)。

冒頭の回転ずしの社長の事案は、不正の手段により営業秘密を取得する営業秘密不正取得行為又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(同法第2条第1項第4号)に当たるものと考えられます。

この「営業秘密」とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」をいいます(同法第2条第6項)。

不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為又は管理侵害行為により、営業秘密を取得した者(同法第21条第1項第1号)、詐欺等行為又は管理侵害行為により取得した営業秘密を、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、使用し、又は開示した者(同項第2号)、営業秘密を営業秘密保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、①営業秘密記録媒体等(営業秘密が記載され、又は記録された文書、図画又は記録媒体)又は営業秘密が化体された物件を横領する、②営業秘密記録媒体等の記載若しくは記録について、又は営業秘密が化体された物件について、その複製を作成する、③営業秘密記録媒体等の記載又は記録であって、消去すべきものを消去せず、かつ、当該記載又は記録を消去したように仮装する、のいずれかの方法で領得した者(同項第3号)等は、10年以下の懲役若しくは2000万円以下の罰金に処され、又はこれを併科されます(同法第21条第1項柱書)。

「詐欺等行為」とは、人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいい、「管理侵害行為」とは、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス禁止法に定める不正アクセス行為、そのほかの営業秘密保有者の管理を害する行為をいいます(同法第21条第1項第1号)。日本国外において使用したり開示する等の目的で、詐欺等行為等により営業秘密を取得した場合は、10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金に処され、又はこれを併科されます(同法第21条第3項柱書)。日本国外に流出するような場合は、さらに被害が大きくなり、また経済安全保障を図れなくなりますので、罰金額もより大きくなっています。

不正競争に対する会社の責任

役員や従業員が不正競争を行った場合、企業も責任を問われます。

法人の代表者や従業者等が、法人の業務に関し、違反行為をした場合は、法人も罰金刑を科されます(同法第22条第1項柱書)。日本国外で使用する目的等のため、不正の利益を得る等の目的で、詐欺等行為等により営業秘密を取得する等の場合は、上記のように被害の大きさや経済安全保障の観点から、罰金額は高くなっており、10億円以下の罰金刑を科されます(同法第22条第1項第1号)。

それ以外の営業秘密の取得等の場合は、5億円以下の罰金刑を科されます(同法第22条第1項第2号)。

まとめ

このように、営業秘密の侵害に対しては、行為者だけでなく企業に対しても大きな責任が科せられる可能性があります。

営業秘密の侵害等不正競争についてお悩みの方、企業の営業秘密の管理運用についてご心配なことがある担当者の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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