(事例はフィクションです)
雑貨店の経営をしていたAさんは、レジのお金や商品の在庫の数を整理するための記録をつけていました。あまりに業務が多い場合にはついつい記録を忘れてしまったり、どこかで計算ミスが起きてしまったもののどこから間違っているのか解らなかったりする場合もあります。
ある時、従業員のBが、商品の売上金1万円を着服していることが解りました。着服の方法は、商品が返品されていないのに返品されたことにして、売上記録を勝手に抹消し、売上金1万円をお客さんに返したことにして実際には自分の財布に入れていたというものです。
その他に帳簿が合わないことが度々あったため、Aさんは、Bさんの着服問題について弁護士に依頼し、経理関係の書類の不備に四苦八苦しながらも、ひと段落といきました。
とはいえ、また同じようなことが起こると困るのでAさんは、今後の再発防止等のために何かできないか考えています。
この事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所であれば、どのようなサポートをAさんにして差し上げられるか、解説します。
なお、Bさんのような従業員の着服問題への対応については、以下の記事も併せてご覧ください。
不祥事の再発防止策
一旦従業員の犯罪行為が発覚したら、再発防止策を取ることは色々な点で有益です。そして、一見すると再発防止策を取ることは簡単なように思えます。
Aさんの事例の場合、経理関係の書類に記録漏れや計算ミスがあったことも着服を発見困難にしていた原因の一つと言えるでしょう。ですから、「経理関係の書類にミスがないよう徹底する」ことは再発防止に有効ですが、そうは言っても、どうすればミスがないようにできるか、ミスがないようにする案を思いついても、それを継続的に実行できるかは別問題です。
犯罪心理学では、従業員の横領といった不正が行われる要因として「不正を働く機会」「不正を働く動機・プレッシャー」「不正を働く姿勢・正当化」があるとされています(不正のトライアングル)。
もしAさんから継続的な顧問の依頼を受けた場合、弁護士としては、不正のトライアングルをもとにAさんの会社の問題点を指摘しつつ、現実的な解決策を考えていくことになります。
例えば、今まではBさんだけがお金の管理をしている状況だったという場合には二人以上の経理担当者を置くようにすることで、経理ミスの可能性を低減させたり、Bさんがお金を着服してもバレないような体制を解消したりするよう、現実的で実行可能なアドバイスをすることになるでしょう。どのようなアドバイスをするかは、会社の状況をじっくり見て、どこに問題があるか、どこをどう変えたら解決できるか一緒に考えていくことになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、簿記の資格を有する弁護士はもちろん、経理関係の業務や会社運営の顧問に精通した弁護士が在籍しており、一定のクオリティを持ったアドバイスをさせていただきます。
こういった専門的な弁護士や実績のある弁護士のサポートをご希望の場合には、ぜひ弊所に一度ご相談ください。