民泊サービスを始める場合の法律上の注意点に関し弁護士が解説します③
【事例】
Aさんは京都市内で不動産業を営んでいるX社の代表取締役を務めていました。
Aさんは近年京都市内を訪れる観光客が増えていることに目を付けて、自社が保有する空き物件を活用し民泊事業を開始しようと考えました。
しかし、Aさんは民泊業を行うためにどのような設備や手続が必要か分かりませんでしたので民泊サービスの許認可関係に強い弁護士に法律相談をしました。
(事例はフィクションです)
前回の記事では民泊業を営む場合に旅館業法上の許可が必要な場合について解説させていただきました。
今回の記事では旅館業法上の許可を取得する場合の流れについて解説させていただきます。
このページの目次
1 許可取得までの流れの概説
旅館業法に基づく許可を受けるためには、民泊サービスを行う予定の施設が所在する都道府県(保健所を設置する市、特別区を含む)の保健所にて申請を行う必要があります。
例えば事例のケースでいえば、京都市内の施設で申請をしようとしているので、京都市保健所(京都市が設置している保健所)が申請先になります。
そしてその流れを大まかに言えば、
①事前相談→②許可申請→③施設検査→④許可という流れになっています。
許可決定を受けて、初めて営業を開始することができるようになります。
2 各段階についての解説
(1)事前相談について
事前相談については、許可申請を行う前に事前相談を求めている自治体が多いようです。
申請を開始する前に都道府県の旅館業法担当窓口に一度確認してみてください。
相談にあたっては、施設の所在地、施設の図面、建築基準法や消防法への適合状況が確認されることがあるようです。
事前の準備について自信がない場合については専門家に相談して準備を進める方がよいかもしれません。
(2)許可申請について
許可申請にあたっては、①許可申請書と②営業施設の図面の提出と手数料の支払いが求められます。
①、②の他にも都道府県が条例で定める書類が別途必要になる場合がありますので、この点も事前相談で確認しておくことをおすすめします。
(3)施設検査について
施設検査においては、対象の施設が構造設備基準に適合していることを確認するために行われます。
検査の方法としては保健所職員等による立ち入り検査が行われます。構造基準が満たしていることが確認されるまでは許可を取得することができません。
構造設備基準については許可を申請する営業種別によっても異なります。
例えば以前の記事で紹介した、簡易宿所営業では延べ床面積が33㎡以上であること(宿泊者数が10に以下の場合は例外あり)、入浴設備があること(周辺の施設の状況によっては例外あり)などの基準が設けられています。
詳しくは旅館業法に詳しい専門家にご相談ください。
(4)許可と営業開始
許可を得る事ができれば営業を開始することができます。
地域や申請時期によっても変わるかもしれませんが、申請から許可までの標準的な機関は数週間程度と言われています。
3 許可申請の際には旅館業法に精通した弁護士にご相談ください
以上のように許可申請を行う場合には地方公共団体とのやり取りもありますし法的要件に適合しているかの判断も必要になります。
許可申請がスムーズに認められるかはその後の営業にも大きくかかわることですし、旅館業法に精通した弁護士に一度ご相談下さい。

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