不祥事発生時における広報対応の留意点について③

企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応の留意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも広報とは

広報とは、企業が社会の人々に向けて企業の情報を発信することです。

不祥事が発生した場合の広報対応

企業内で不祥事が発生したとき、特にそれが犯罪に関わるときには、新聞報道されたり、インターネット上で掲載されるなどして、不特定多数の人々に知られてしまう場合があります。その際、企業側に取材がなされ、時には、記者会見を実施する必要が生じるかもしれません。メディアからの取材依頼は広報が担当します。

前回は、企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応(危機管理広報)の基本的な手順について、窓口を一本化するということまで解説しました。今回は、同手順について引き続き解説します。

プレスリリースの発信

プレスリリースとは、当該企業における経営・商品などに関する企業情報をメディアの記者等が利用しやすいように、文書や資料としてまとめたものです。

参考 「不祥事」に関するプレスリリースの一覧

不祥事発生時の企業の公式な見解表明は、多くの場合、プレスリリースによる情報発信となります。プレスリリースには、ポジションペーパーの記載を基に、不祥事発生の事実関係や原因、今後の対応方針や再発防止策、被害者・関係者に対する謝罪等を記載します。

メディアからの質問への対応

メディアの記者等からの質問に対しては、内容をしっかり確認し、質問事項を特定してから回答することが肝要です。口頭で答える時にはまず結論から話すべきであり、イエスかノーかも明確にすべきです。
この人は一体何を話そうとしているのだろうかと思われるような冗長な話し方は絶対にしてはならないことであり、企業にとって不都合なことをごまかそうとしていると思われるおそれがあります。

ステークホルダーへの説明

ステークホルダーとは、取引先、株主、従業員、顧客等、企業と利害関係にある者全般を指す言葉です。
企業の責任として、ステークホルダーに対して、不祥事発生についての十分な説明を行う必要があります。これをおろそかにすると、不祥事を知った消費者や地域住民などから、企業に対して抗議の電話等が殺到する危険性があります。
もっとも、これら各ステークホルダーに対する説明の全てを広報窓口で行うことは困難であり、事前に、取引先への説明文書、消費者等からの問い合わせに対する資料などを作成した上各部署に配布し、対応が不整合にならないようにしておくことも大切です。

次回は、実際に危機管理広報を行う場合にどのような態度で臨むべきかなど、特に注意する点について解説します。

最後に

あいち刑事事件総合法律事務所には企業法務の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。企業不祥事を防ぎたい場合や体制を見直したい場合、あるいは、企業不祥事が発生してお困りの際は、あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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