第三者委員会について⑤

第三者委員会について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

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そもそも第三者委員会とは何か

日本弁護士連合会が公表した「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)では、第三者委員会について、「企業や組織(以下、「企業等」という)において、犯罪行為、法令違反、社会的非難を招くような不正・不適切な行為等(以下、「不祥事」という)が発生した場合及び発生が疑われる場合において、企業等から独立した委員のみをもって構成され、徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言するタイプの委員会」と定義しています。

第三者委員会について、顧問弁護士の立場との違い

結論から言いますと、第三者委員会は、企業に対する助言者や味方という立場にはありません。
もちろん、第三者委員会が企業との間でコミュニケーションを図ることは必要かつ重要なことです。そして、第三者委員会は、調査を進めるにつれ、当該不祥事の事案の内容等を詳しく把握していきますので、調査が進むにつれて、企業の側も各ステークホルダーへの対応方針等について、第三者委員会から助けを求めたくなる場合もあると考えられます。
しかし、第三者委員会は、事実関係の調査、事実の評価、原因分析及び再発防止策の提言を目的としており、経営陣は第三者委員会にとってあくまで調査対象としての位置づけです。そうであれば、第三者委員会の立場は、企業の助言者ないし味方的な立場にある顧問弁護士の立場とは異なるものです。
そのため、企業としては、危機対応を進めるためには、第三者委員会を設置したとしても、それとは別に、顧問弁護士等から適切な助言を得る体制を整えておく必要があります。

第三者委員会と顧問弁護士との役割分担

不祥事により第三者委員会を設置した企業には、企業に寄りそって経営陣から相談を受けて危機対応を助言してくれる人が必要になります。この役割を担うのに最適なのは従前から企業の実情に詳しい顧問弁護士です。その必要性は、第三者委員会を設置した場合でも、いささかも変わることはありません(なお、ガイドライン4頁では、顧問弁護士は企業と利害関係があるため、第三者委員会の委員として就任すべきでないとれています)。

最後に

企業で不祥事が発生し、第三者委員会の設置を考えておられる企業経営者等の方、あるいは、未だ不祥事が起きていなくても、企業でおこる法律相談や不安ごとについて、平素から継続的に相談を受けてくれる顧問弁護士を真剣に探しておられる企業経営者等の方は、早めに弁護士にご相談ください。

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