【事例】
Aさんは、一念発起して、自宅のある奈良県天理市内で、資格を取得して鍼灸整骨院を開業しようと考えました。
Aさんは、鍼灸整骨院を開業するのには資格がいるというのは分かっていましたし、資格取得のために通い始めた学校も卒業が近付いてきました。
また、患者として鍼灸整骨院に通っていた経験から、健康保険も使える場面もあるようだということも知っていました。
しかし、具体的にどのような手続きをする必要があるのかまでは分かっていませんでした。
そこで、Aさんは、今後必要な手続きなどを相談するために、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)
このページの目次
1 はじめに
前回の記事では、鍼灸整骨院を開業するにあたって、必要となる準備について解説してきました。
そして、必要となる資格、具体的には、柔道整復師、はり師、きゅう師の資格について解説してきました。
今回は資格取得後に必要となる届出についてみていきます。
2 必要となる届出
前回の記事でも解説しましたが、柔道整復師については柔道整復師法が、はり師やきゅう師についてはあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下では、各資格の頭文字をとって「あはき法」といいます。)が、業務に関する規律も規定しています。
まず、柔道整復師が柔道整復の業務を行う場所のことを施術所といい(柔道整復師法2条2項)、はり師やきゅう師についても、業務を行う場所のことを施術所と呼ぶことを前提に規定がされています(あはき法9条の2第1項等)。
この施術所を開設した場合、開設してから10日以内に、施術所の所在地の保健所に届出をする必要があります(柔道整復師法19条1項前段、あはき法9条の2第1項前段)。
この届出の際に必要となるのは、柔道整復師の場合、業務に従事する柔道整復師の氏名(柔道整復師法19条1項前段、同法施行規則17条5号)、施術所の場所(柔道整復師法19条1項前段、同法施行規則17条4号)のほか、開設者の氏名と住所、開設年月日、施術所の名称、施術所の構造設備の概要と平面図(柔道整復師法19条1項前段、同法施行規則17条1号から3号、6号)が必要となります。
はり師やきゅう師の場合、基本的には柔道整復師と同じような内容が必要となるほか(あはき法9条の2第1項前段、同法施行規則22条1号から4号、7号)、開業するのがはり師なのかきゅう師なのかといった業務の種類(あはき法施行規則22条5号)、業務に従事する施術者の目が見えない場合はその旨(同施行規則22条6号)が必要となります。
また、こういった届出事項に変更が生じた場合にも、10日以内に、施術所の所在地の保健所に届出をする必要があります(柔道整復師法19条1項後段、あはき法9条の2第1項後段)。
更には、施術所を休止や廃止にしたとき(柔道整復師法19条2項前段、あはき法9条の2第2項前段)、休止した施術所を再開するとき(柔道整復師法19条2項後段、あはき法9条の2第2項後段)も同様に10日以内の届出が必要となります。
3 構造設備に関する規律
施術所は、どのような場所でも開けるわけではありません。
構造設備に関する基準や衛生上必要な措置に関する基準も定められています(柔道整復師法20条、あはき法9条の5)。
今回は、柔道整復師やはり師、きゅう師として施術所を開設するのに必要な届出について解説していきました。この続きは今後の記事で解説していきます。
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