不祥事発生時における広報対応の留意点について④

企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応の留意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

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そもそも広報とは

広報とは、企業が社会の人々に向けて企業の情報を発信することです。

参考 「不祥事」に関するプレスリリースの一覧

不祥事が発生した場合の広報対応

企業内で不祥事が発生したとき、特にそれが犯罪に関わるときには、新聞報道されたり、インターネット上で掲載されるなどして、不特定多数の人々に知られてしまう場合があります。その際、企業側に取材がなされ、時には、記者会見を実施する必要が生じるかもしれません。メディアからの取材依頼は広報が担当します。

前回までに、企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応(危機管理広報)の重要性やその基本的な手順について解説しました。今回は、実際に危機管理広報を行う場合にどのような態度で臨むべきかなど、特に注意する点について解説します。

誠実な対応とは

企業で不祥事が発生した場合、何よりも重要なことは、誠実に対応することです。

企業によっては、積極的な広報活動を行わず、放置し、世間から忘れられるのを待つという方針を選択する場合があります。しかし、このような対応をとると、企業が不祥事に対する説明も行わずに逃げたという印象を与える危険性があり、企業の社会的信用が更に低下する可能性があります。

事態を軽くみて忘却を待つという不誠実な対応は、世間の印象を悪くする可能性が高い一方、積極的な広報活動を行うことによって誠実かつ真摯な説明をした企業については、長い目でみれば、企業の社会的信用を回復し、また従前以上に向上させることも不可能ではありません。

広報は早く行う

企業で不祥事が発生した場合、広報は可能な限り迅速に行うべきです。

もし広報が遅くなってしまうと、憶測によるデマが流れて世間に誤った情報が広がってしまい、いわゆる風評被害に遭う可能性があります。とりわけSNSやネット掲示板を利用して、誰でも情報が発信できるようになった今、誤った情報もあっという間に広がる可能性があります。

そうなると、企業に対して寄せられた批判的な情報が事実でなければ、企業は被害者といえますから、事実とは異なる情報が拡散されている旨を記載した声明文を速やかに出さなければならなくなるなど、作業が増えて、正確な情報開示が更に遅れる可能性があります。

対応の遅れは世間を不安にし、世間の印象を悪くするため、広報はできるだけ早く行うことが重要です。

弁護士など専門家に相談する

企業での不祥事発生時における広報について、対外的に開示する文書の内容や記者会見で説明する内容については、弁護士などの専門家に事前にチェックを受けることも重要です。このようにして外部に出る情報については、消費者、株主等が訴訟を提起する場合の証拠となりうるからです。

また広報を行う場合、リスクマネジメントの専門家などからの助言が必要となる場合もあるでしょう。

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