不祥事発生時における広報対応の留意点について②

企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応の留意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも広報とは

広報とは、企業が社会の人々に向けて企業の情報を発信することです。

不祥事が発生した場合の広報対応

企業内で不祥事が発生したとき、特にそれが犯罪に関わるときには、新聞報道されたり、インターネット上で掲載されるなどして、不特定多数の人々に知られてしまう場合があります。その際、企業側に取材がなされ、時には、記者会見を実施する必要が生じるかもしれません。メディアからの取材依頼は広報が担当します。

今回は、企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応(危機管理広報)の基本的な手順について解説します。

事実関係の調査

不祥事が外部に発覚した直後に、企業の役員(経営陣)が現場の知る不祥事の内容をきちんと把握できていなかった場合、ときとして、役員がメディアに対し、事実と異なる情報発信をしてしまうことがあります。このような事態になるのを回避するため、企業としては、不祥事の情報に接した際には、早期に事実関係の調査を行い、事実を正確に把握する必要があります。

事実関係がわからなければ対応しようがないのであり、何を広報すればよいのかすら判断することができません。広報対応を行う場合、事実関係を調査し、事実を正確に把握することがまずもって最優先といえます。

その場合、当該不祥事に関連する事実関係に詳しいが、当該不祥事に関係していない第三者的立場の人物を責任者として事実関係の調査、確認にあたるようにする必要があります。また、事実関係の確定に専門的・技術的な知識、知見が必要と思われる場合には、弁護士等その分野の専門家の起用を検討すべきです。

参考報道:ブックオフ 従業員の現金不正取得などの疑いで特別調査委設置 NHK

対応方針の検討、決定

調査の結果、事実関係が確認できたら、確認した事実関係を書類にまとめて、次に今後の方針を検討し決定します。この書類をポジションペーパーと呼び、ここには事実関係に加えて今後の対応も記載することが重要です。この点、不祥事発生後にどこまで素早く対応方針を決定できるか、この迅速性が世間からの評価を大きく分けます。時機に遅れた広報は、世間の不信、不安を招くものであり、とにかく初動が大切といえます。

窓口の一本化

企業の役員としては、情報の収集に努めるとともに、広報に対応する窓口を一本化し、対応の責任者を決めて、広報対応をその責任者だけに行わせる必要があります。

広報対応の窓口が一本化されておらず様々な窓口が広報対応を行うと、企業内外からの問い合わせについて情報が集約できず、対応方針等回答内容が異なってしまう可能性があり、企業内外に混乱が広がりかねません。窓口の一本化によって、情報を集約し統一的な対応を行っていくことにより、混乱を防ぎます。

次回に続きます。

最後に

企業不祥事発生時に事実関係の調査を実施している際、関係者の間で相互に話が食い違うこともあり、その場合には、客観的な証拠や中立的な第三者の供述等に基づいて、真実が何かを確定する必要があります。

このような客観的な証拠の分析や第三者からのヒアリングなどによって適正な事実認定を行うことは、事実関係の調査について経験豊富な弁護士が行うことが適任です。あいち刑事事件総合法律事務所には企業法務の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。企業不祥事に関してお困りの際は、あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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