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【事例】
Aさんは、山口県下関市で飲食業を営む会社であるⅩ社の従業員です。
Ⅹ社では、来年度からインターネットでの通販を利用して自社のレトルト食品を日本全国に販売することを目指しています。しかし、Ⅹ社は、これまで自社店舗での販売と地元の小売店への販売しかしていませんでした。そこで、このような事業拡大にともなって生じる課題に対応するために、Ⅹ社では法務部門を新設することになりました。
そして、Aさんが新設される法務部門の責任者となりました。
X社の法務部門では、事業拡大の際に様々な業者と取り交す契約書のチェックも業務となっています。
しかし、Aさんは弁護士資格を有しているわけではありませんし、他の社員も弁護士資格は有していません。
また、X社にはこれまで顧問弁護士もいませんでした。そこで、Aさんは、今後予想される契約書チェック業務に対応するために、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)
1 はじめに
契約書の内容を確認することの重要性を考える大前提として、今回はそもそも契約とはなにかというところからみていきましょう。
2 契約とは
契約というのは、2人以上の当事者が、権利や義務に関する合意を結ぶことをいいます。
当事者には、生身の人間(自然人ということもあります。)に限らず、会社などといった法人もなることができます。
また、契約は、“合意を結ぶこと”であるというのもポイントです。
つまり、どのような契約であっても、契約書などといった書類を取り交す必要があるというわけではありません。
口頭で合意している場合であっても、契約は成立することになります。
その一方で、例えば保証契約については、書面で取り交す必要があるというのが法律で定められています(民法446条2項)。
「契約書」と一言でいっても解釈が難しい場合があります。例えば,税金の関係上「契約書」の扱いについては国税庁が通達を出しています。
3 契約書の重要性
それでは、保証契約のように書面で取り交す必要がある場合を除き、契約書を取り交わさなくてもいいのでしょうか。
もちろん契約書があるに越したことはありません。
まず、契約書があると、お互いの合意の内容が明確になりますから、将来的に契約内容を巡ってトラブルになる可能性を下げることができます。
また、仮にトラブルに発展して裁判となった場合には、契約書がその裁判の中で強力な証拠となる可能性もあります。
さらに、契約が潜在的に抱えているリスクをコントロールする手段ともなりえます。
例えば、契約した段階では財務状況に何ら問題のない会社であったとしても、何かのきっかけで急速に財務状況が悪化してしまい、支払いが滞ってしまう可能性もあります。
また、取引の相手方が、裏では反社会勢力と繋がりがあるのに、それを隠しているかもしれません。
他にも、取引の中で開示した情報を他社にもらされてしまうおそれ、継続的な取引でないと自社に利益が生じない場合に短期間で解約されてしまうおそれなども考えられます。
このようにリスクとしては多種多様なものが考えられますし、自社がどのようなリスを抱えていて、そのリスクがどの程度の大きさなのかも会社ごとに様々です。
そのようなリスクを回避したり、リスクが顕在化した場合の影響を減少させたりする条項を契約書の中に盛り込むことで、リスクのコントロールが可能になります。
まとめ
今回は、契約や契約書について解説していきました。この続きは今後の記事で解説していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関わってきた経験を活かし、そもそも会社内でのトラブルを回避するための対応・アドバイスにも力を入れています。
契約書の確認をしてほしい、継続的に弁護士からアドバイスを受けたいなどといったご要望の方も、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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