社内調査を円滑に進めるための体制

社内調査を円滑に進める体制とはどのような体制かについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも社内調査とは何か

社内調査とは、一般に、企業内で業務に関し、社員による違法行為や不適切な行為(以下、まとめて「不正行為」と呼びます。)が行われた場合、あるいはその疑いが生じた場合に、企業が主催者となって実施する調査のことをいいます。

社内調査の体制づくり

社内調査の主催者は企業自身であり、社内調査の体制づくりの第一歩は、不正行為の調査を実施する社内調査チームの立ち上げから始まります。
その際、留意すべきことは、社内調査チームに誰が加わるべきか、または、誰を加えるべきでないか、社内調査チームに社外の専門家を関与させるべきかといったことです。

社内調査チームの構成員

社内調査チームは、基本的に社内メンバーを中心に構成されます。通常、企業の法務部、コンプライアンス部、あるいは、人事部、総務部など、社員の不正行為に対処することが予定されている部署が中心となって構成されることが多いと考えられます。
一方、この社内メンバーには、当然のことながら、不正行為を行った疑いのある対象者については加えるべきではありません。また、被害者や申告者も当然除外されます。
したがって、社内調査チームは、当事者らとは利害関係のないメンバーで構成することになります。
また、不正行為の内容にもよりますが、不正行為が発生した部署をよく知る社員を社内調査チームに参加させることも、社内調査を円滑に進める上で重要でしょう。もっとも、その社内調査チームに参加した社員が、実際には、不正行為に関与していたとなれば本末転倒であり、そのようなことがないように注意が必要です。

参考:外部調査・第三者委員会について

外部専門家の参加

不正行為の内容によっては、企業が主催する社内調査チームに、外部の専門家を加えることを検討する必要があります。
とくに、専門家が外部法律事務所の弁護士の場合、社内調査チームのメンバーとして法律家が参加することで、過去の裁判例を含めた法律的な観点からのアドバイスを受けることができ、有効と考えられます。また、インサイダー取引、粉飾決算等、関係当局が企業に対して既に調査を開始している場合は、社内調査チームに弁護士を加えることで、関係当局に対し、社内調査の公正さを示すことなどが期待できます。

最後に

以上述べたように、企業内で不正行為が発覚した場合、事案によって、弁護士を社内調査チームのメンバーに入れることは、法律的なアドバイスを受けられるなどのメリットがありますが、不正行為が発覚した場合には、認定された事実関係を基にしてその後の対応を決していくことになりますので、まずもって事実関係を正確に認定することが極めて重要です。
このような事実関係の正確な認定についても、事実関係の調査について豊富な経験をもつ弁護士が行うことが適任といえます。

参考報道:日本テレビ,外部有識者を含めた調査チームを設置

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