コンプライアンス体制の構築②

当サイトで取り上げた事例を基に,コンプライアンス体制の構築について解説していきます。
以前の記事で、コンプライアンス体制を構築する大前提として、コンプライアンスとは何か、コンプライアンスが強く求められるようになったのはなぜかについて解説してきました。
今回は、コンプライアンス違反に陥りやすい状況について解説していきます。

コンプライアンス違反の事例は,もはやどの企業・団体で起きてもおかしくないといえるものになっています。

参考記事:過去1年以内にコンプライアンス違反が発生した企業は約4割、実態調査を実施

コンプライアンス違反に陥りやすい状況

コンプライアンス体制を構築するといっても、どのような場所にリスクが潜んでいるのか、どのような状況が“危ない”状況なのかが分からなければ、効果的な対策が講じられません。
そこで、コンプライアンス違反に陥りやすい状況として、2つの場合を例示します。

1つ目は、危険な企業独自の風土がある場合です。
例えば、営業成績のみを殊更に従業員に求めるような場合や、部署ごとの人的な繋がりがなかったり、ともすれば部署間の競争を会社が執拗にあおったりする場合です。

会社がある活動をするときに、その活動は少なくとも短期的には会社に利益をもたらしますが、社会的、道徳的には問題のある活動だったとします。
前者は、このような場合に、社会的、道徳的には問題があるかもしれないと従業員が思ったとしても、「会社の利益になるから」と判断させてしまう可能性が高まるでしょう。

後者は、部署ごとに閉鎖的な意識を従業員が持つことになりますから、例えば、「営業部の実績になるのだから、その後、顧客対応をする事業部(場合によっては法務部)が困っても構わない」といった事態を招くおそれもあります。

2つ目は、継続的に対策を講じる姿勢に欠ける場合です。
情報化社会といわれて久しいですが、このように社会が複雑になっていくのにともない、様々な問題が生じていきます。
その様々な問題に対応するため、日々新たな法律が作られることもありますし、法律の解釈や運用が変わっていくこともあります。
このようにルールが変わっていくことに敏感でないと、ルールが変わったことに気付かず、知らないうちにコンプライアンス違反となってしまう可能性もあります。

今回は、コンプライアンス体制の構築に関して、コンプライアンス違反に陥りやすい状況について解説していきました。この続きは今後の記事で解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関わってきた経験を活かし、そもそも会社内で不祥事を起こさないための対応・アドバイスにも力を入れています。
コンプライアンス体制の構築などについてアドバイスをご希望の方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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