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【捜査解説】建設仮勘定を利用した不正事案の捜査

2024-07-09

建設仮勘定を利用した不正事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が具体例を交えながら詳しく解説します。

建設仮勘定とは、自社で使用する工場などの建物等の建設のために支払った工事費、材料費、労務費などの支出を、その建物等が完成して資産計上されるまでの間、仮に資産として計上するための勘定科目です。

参考:弥生会計 建設仮勘定とは

この建設仮勘定は、あくまで自社で使用する建物等の建設のための支出に計上される勘定科目ですが、これを悪用すると、費用としてではなく、流動資産として計上できる上、建物等の建設であることから金額が高額となるため、建設仮勘定を不正会計の手段として使用することがよくあります。

例えば、ある不動産会社では、実績をあげるために無理に値引きをした受注や手直し工事等による原価率の悪化を隠ぺいするために、それらの物件を建設仮勘定に振り返るなどの不正経理がなされていたり、ある製造会社では、既に完成して使用されていた倉庫について建設仮勘定から本勘定に振替がなされないまま減価償却がされずにいた、あるいは、土地の購入のための手付金として支出していた金額を仮勘定として計上していたものの、土地購入の相手方は実在せずに書類が偽造されていたものなどの様々な事案があります。

こうしたことから、捜査官としては、建設仮勘定の特性を踏まえ、この勘定科目による不自然な振替などの帳簿操作に目を光らせます。

捜査官は、帳簿捜査により、建設仮勘定の計上に気付くと、まずはその計上についての内訳をよく検討し、自社のものではなく顧客から受注を受けるなどしたものが混入して計上されていないか、自社のものであるとして既に完成して引き渡しを受けているのにこれを本勘定に振り替えず、減価償却費の計上を先送りして資産を過大に計上していないか、そもそも建設仮勘定に計上することが相当でない支出はないか、建物等の建設の工事は実際に存在しているのか、建設仮勘定に係る契約書類等は偽造されたものではないかなどの様々な観点から検討し、証拠を収集保全してきます。

こうした不正経理に関する事案に対応するためには、企業法務のみならず会計等についても高度な専門性・技術性を要し、これらのことに精通した弁護士に依頼することが必要となります。

あいち刑事事件総合法律事務所には、これらのことに精通した弁護士が多数在籍しております。このような事態にいたったときは、是非、弊所にご相談ください。

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不祥事発生時における広報対応の留意点について①

2024-07-05

企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応の留意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも広報とは

広報とは、企業が社会の人々に向けて企業の情報を発信することです。

不祥事が発生した場合の広報対応

企業内で不祥事が発生したとき、特にそれが犯罪に関わるときには、新聞報道されたり、インターネット上で掲載されるなどして、不特定多数の人々に知られてしまう場合があります。
その際、企業側に取材がなされ、時には、記者会見を実施する必要が生じるかもしれません。メディアからの取材依頼は基本的に広報が担当します。
今回は、企業内部で不祥事が発生した場合における広報対応(危機管理広報)の重要性について解説します。

不祥事発生時における広報対応(危機管理広報)の重要性

企業内の不祥事について、その情報がいったん世に出てしまえば、出回った情報の全てを削除することは不可能です。とくに、現在では、SNSの普及等により、企業内部で起きた不祥事であっても、企業外部に漏れるリスクは従前よりも格段に高まっているといえます。
それゆえ、昨今、不祥事発生時における広報対応(危機管理広報)の重要性が増しています。ひとたび、企業の評価や評判を毀損する重大な不祥事が発生し、これに対する対応を誤れば、大変な事態に陥る可能性があります。
広報対応を誤ったがゆえに、社会的非難を増幅させ、問題を不必要に大きくしてしまった事例は枚挙に暇がありません。

参考:2023年評判を落とした不祥事ランキング 月刊『広報会議』調べ

不祥事に関する情報は企業の価値を低下させますが、消費者を始めとしたステークホルダー(日本語で「利害関係者」を意味します。)は当然のことながら企業に不信の目を向けるようになります。また、場合によっては、不買運動に発展し、多大な経済的損失を被ってしまうことになります。そればかりか、その企業自体の社員の士気低下、優秀な人材の流出などが生じ得ます。対応を誤れば企業の死命をも決しかねず、企業倒産まであり得ることを強く意識する必要があります。

そこで、企業としては、不祥事が企業外部に発覚してしまったことによる企業の信用失墜のリスクをどのようにして防ぐか、あるいはどのようにして最小限度にとどめるか、検討する必要があります。
信用を築くには、長い時間をかけて大変な努力、労力が必要ですが、信用を失うのは一瞬で足ります。企業は、評価や評判が低下することを食い止め、速やかに信用回復を実現させる必要があります。そのために、迅速かつ適切な対応が必要になるのです。
次回からは、不祥事発生時における広報対応(危機管理広報)についてその具体的な手順等について解説していきます。

最後に

あいち刑事事件総合法律事務所には刑事弁護・加害者弁護に強いバックグラウンドを持つ,企業法務の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。企業不祥事を防ぎたい場合や体制を見直したい場合、あるいは、企業不祥事が発生してお困りの際は、あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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企業と下請法違反

2024-07-04

自動車会社が下請けの会社に不当に価格引き下げを迫っていたことがニュースとなり、問題となっています。この事案は下請法違反とされています。ここでは、下請法について解説します。

下請法の正式名称は下請代金支払遅延等防止法(下請法)といい,「下請代金の支払遅延等を防止することによつて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的」としています(第1条)。

下請法上の定義・適用範囲

下請法の対象となる下請事業は、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託です(第2条第1項から第4項。これらをまとめて「製造委託等」といいます。第2条第5項)。

下請法の「親事業者」は以下の事業者に該当する者です(第2条第8項)。

一 資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十六号)第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人たる事業者に対し製造委託等(情報成果物作成委託及び役務提供委託にあつては、それぞれ政令で定める情報成果物及び役務に係るものに限る。次号並びに次項第一号及び第二号において同じ。)をするもの
二 資本金の額又は出資の総額が千万円を超え三億円以下の法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対し製造委託等をするもの
三 資本金の額又は出資の総額が五千万円を超える法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人たる事業者に対し情報成果物作成委託又は役務提供委託(それぞれ第一号の政令で定める情報成果物又は役務に係るものを除く。次号並びに次項第三号及び第四号において同じ。)をするもの
四 資本金の額又は出資の総額が千万円を超え五千万円以下の法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対し情報成果物作成委託又は役務提供委託をするもの
また、下請法の「下請事業者」は、次のいずれかに該当する者です。
一 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人たる事業者であつて、前項第一号に規定する親事業者から製造委託等を受けるもの
二 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者であつて、前項第二号に規定する親事業者から製造委託等を受けるもの
三 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人たる事業者であつて、前項第三号に規定する親事業者から情報成果物作成委託又は役務提供委託を受けるもの
四 個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者であつて、前項第四号に規定する親事業者から情報成果物作成委託又は役務提供委託を受けるもの

情報成果物作成委託及び役務提供委託の一部については、下請代金支払遅延等防止法施行令(下請法施行令)において下請法の適用対象となる資本金の規模について異なる定めがなされています。
情報成果物ではプログラム(下請法施行令第1条第1項)、役務では①運送、②物品の倉庫における保管、③情報処理、です(下請法施行令第1条第2項)。

まとめますと、下請法が適用されるのは、以下の場合です。

⑴情報成果物がプログラム、役務が運送、物品の倉庫における保管又は情報処理である情報成果物作成委託又は役務提供委託契約については、
①資本金の額又は出資の総額が五千万円を超える法人である事業者が、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人である事業者に対し委託する場合
②資本金の額又は出資の総額が千万円を超え五千万円以下の法人である事業者が、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対し委託する場合
⑵⑴以外の製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託契約については、
①資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人である事業者が、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が三億円以下の法人である事業者に対し委託する場合
②資本金の額又は出資の総額が千万円を超え三億円以下の法人である事業者が、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対し委託する場合

下請法上の義務

親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければなりません(下請法第3条第1項)。これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、この書面には記載しないこともできますが、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければなりません(同項但し書き)。
この書面は「3条書面」と呼ばれています。
また、親事業者は、下請事業者に対し製造等委託をした場合は、次の行為をしてはならないとされています(下請法第4条第1項。役務を提供したら委託業務が終了する役務提供委託の場合は、①と④は除きます)。

① 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の受領を拒むこと。
② 下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと。
③ 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減ずること。
④ 下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付を受領した後、下請事業者にその給付に係る物を引き取らせること。
⑤ 下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。
⑥ 下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。
⑦ 親事業者が第一号若しくは第二号に掲げる行為をしている場合若しくは第三号から前号までに掲げる行為をした場合又は親事業者について次項各号の一に該当する事実があると認められる場合に下請事業者が公正取引委員会又は中小企業庁長官に対しその事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること。

親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、「下請代金支払遅延等防止法第5条の書類又は電磁的記録の作成及び保存に関する規則」で定めるところにより、下請事業者の給付、給付の受領(役務提供委託の場合は、下請事業者がした役務を提供する行為の実施)、下請代金の支払その他の事項について記載し又は記録した書類又は電磁的記録を作成し、これを保存しなければなりません(下請法第5条)。
記載又は記録しなければならないのは、商号などの下請事業者を識別できる情報、給付の内容及びその給付を受領する期日、など多岐にわたります。

中小企業庁長官の調査及び請求

中小企業庁長官は、親事業者が第4条に掲げる行為をしたり該当する事実があるかを調査し、その事実があると認めるときは、公正取引委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができます(下請法第6条)。

公正取引委員会の勧告

公正取引委員会は、親事業者が第四条に掲げる行為をしていると認めるときは、それぞれの行為に応じて、給付受領や減額した代金額の支払い、等の必要な是正措置をとるべきことを勧告するものとされています(下請法第7条第1項から第3項)。
また、公正取引委員会は、原則として、企業名を出して、違反事実の概要やこの勧告の概要を公表します。

公正取引委員会による下請法勧告一覧

報告及び検査

公正取引委員会は、親事業者の下請事業者に対する製造委託等に関する取引(以下単に「取引」という。)を公正ならしめるため必要があると認めるときは、親事業者若しくは下請事業者に対しその取引に関する報告をさせ、又はその職員に親事業者若しくは下請事業者の事務所若しくは事業所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができます(下請法第9条第1項)。
中小企業庁長官は、利益を保護するため特に必要があると認めるときは、親事業者若しくは下請事業者に対しその取引に関する報告をさせ、又はその職員に親事業者若しくは下請事業者の事務所若しくは事業所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができます(同条第2項)。
親事業者又は下請事業者の営む事業を所管する主務大臣は、中小企業庁長官の第六条の規定による調査に協力するため特に必要があると認めるときは、所管事業を営む親事業者若しくは下請事業者に対しその取引に関する報告をさせ、又はその職員にこれらの者の事務所若しくは事業所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができます(同条第3項)。

下請法違反の罰則

以上のように、下請法では親事業者がしてはいけないことが定められていますが、違反をした場合にすべて刑罰を科されるわけではありません。
3条書面を交付しなかった場合(下請法第10条第1号)、5条に規定する書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又は虚偽の書類若しくは電磁的記録を作成した場合(第10条第2号)、その違反行為をした親事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、50万円以下の罰金に処されます(第10条柱書)。
また、第9条第1項から第3項までの規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、50万円以下の罰金に処されます(第11条)。
法人の代表者などがこれらの違反行為をしたときは、行為者を罰するだけでなく、法人も同じく罰金刑に処されます(第12条)。

社会的制裁

以上のように、受領拒否や代金の減額があったからといって刑事罰を科されるわけではありません。
しかしながら、冒頭の事例のように、下請法違反の行為があったと認定されれば勧告を受けるだけでなくその事実が公表されます。さらにその後報道されて、厳しい社会的批判を受けることになるでしょう。

まとめ

以上のように、下請法には様々な規制があり、違反があれば法的にも社会的にも厳しい制裁があります。下請法についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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【制度解説】役員等の第三者に対する責任について詳しく解説

2024-07-02

役員等の第三者に対する責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が具体例を交えながら詳しく解説します。

1 役員等の第三者に対する損害賠償責任

会社法429条1項では、役員等(代表取締役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人)が、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、その役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。

この定めは、一見して当り前のように見えますが、実はそうでもないんです。役員等がその任務を怠った場合には、本来的には、会社に対する関係で責任を負わされるに過ぎないのです。
もちろん、役員等であっても、第三者に損害を与えたことについて民法上の一般の不法行為責任を問うことはできますが、不法行為責任の場合は、損害を被った第三者が役員等の損害に対する加害やこれに対する故意・過失を立証しなければならないなど役員等の不法行為責任が認められるためには高いハードルがあります。そこで、会社法は、役員等の第三者に対する特別の法定責任として、429条の定めを設けたわけです。

参考記事

この定めによって、損害を受けた第三者は、任務懈怠の事実とこれに対する悪意又は重過失、損害額とその相当因果関係を立証すれば役員等の責任追及をすることができるので、不法行為責任と比較し、一段と立証が容易になっているわけです。また、この定めは、役員等が、実質的個人会社を経営しているような場合、法人格を盾に第三者に対する損害賠償責任を逃れようとする主張を認めさせないための機能、いわゆる法人格否認の法理の機能を果たしているとも言われています。
ですから、役員等の立場としては、いざとなれば会社の責任だから、などとうかうかしていることはできないのであり、こうした責任追及を受けることがあることも十分理解しておく必要があります。

2 名目役員等の責任

さて、役員等が任務懈怠により第三者に損害賠償責任を負うことがあることはわかりましたが、ここから先は、役員等の中でも特に問題になる名前だけ取締役のようなケースを見てみましょう。
知人に頼まれてとかで名前だけ代表取締役になって欲しいと懇請されて名前だけならというんで代表取締役を引き受けた、あるいは、夫に取締役の欠格事由があるため、経営のことを全く知らない妻が夫の代わりに代表取締役になったなど、しばしば耳にします。こうしたケースでも、取締役として登記されていると、この登記を信じた第三者が損害を被った場合に、役員等として責任を負うことになります。
また、取締役を退任していたにもかかわらず、退任登記が未了だった間に、その登記を信じた第三者が損害を受けた場合には、退任登記が未了であったことを言い訳にできないことがあります。この点、うっかり忘れていた程度では責任を負わないとも考えられていますが、やはり会社において重要な役割と責任を果たす立場である取締役ですから、こうした手続面においてもしっかりとした対応をしておく必要があります。
 
 こうした会社の役員等の責任について予防法務や責任が実際に発生した場合の対応をしていくためには、これらのことに精通した弁護士に依頼することが必要となります。

 あいち刑事事件総合法律事務所には、これらのことに精通した弁護士が多数在籍しております。このような事態にいたったときは、是非、弊所にご相談ください。

社内調査を円滑に進めるための体制

2024-06-21

社内調査を円滑に進める体制とはどのような体制かについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも社内調査とは何か

社内調査とは、一般に、企業内で業務に関し、社員による違法行為や不適切な行為(以下、まとめて「不正行為」と呼びます。)が行われた場合、あるいはその疑いが生じた場合に、企業が主催者となって実施する調査のことをいいます。

社内調査の体制づくり

社内調査の主催者は企業自身であり、社内調査の体制づくりの第一歩は、不正行為の調査を実施する社内調査チームの立ち上げから始まります。
その際、留意すべきことは、社内調査チームに誰が加わるべきか、または、誰を加えるべきでないか、社内調査チームに社外の専門家を関与させるべきかといったことです。

社内調査チームの構成員

社内調査チームは、基本的に社内メンバーを中心に構成されます。通常、企業の法務部、コンプライアンス部、あるいは、人事部、総務部など、社員の不正行為に対処することが予定されている部署が中心となって構成されることが多いと考えられます。
一方、この社内メンバーには、当然のことながら、不正行為を行った疑いのある対象者については加えるべきではありません。また、被害者や申告者も当然除外されます。
したがって、社内調査チームは、当事者らとは利害関係のないメンバーで構成することになります。
また、不正行為の内容にもよりますが、不正行為が発生した部署をよく知る社員を社内調査チームに参加させることも、社内調査を円滑に進める上で重要でしょう。もっとも、その社内調査チームに参加した社員が、実際には、不正行為に関与していたとなれば本末転倒であり、そのようなことがないように注意が必要です。

参考:外部調査・第三者委員会について

外部専門家の参加

不正行為の内容によっては、企業が主催する社内調査チームに、外部の専門家を加えることを検討する必要があります。
とくに、専門家が外部法律事務所の弁護士の場合、社内調査チームのメンバーとして法律家が参加することで、過去の裁判例を含めた法律的な観点からのアドバイスを受けることができ、有効と考えられます。また、インサイダー取引、粉飾決算等、関係当局が企業に対して既に調査を開始している場合は、社内調査チームに弁護士を加えることで、関係当局に対し、社内調査の公正さを示すことなどが期待できます。

最後に

以上述べたように、企業内で不正行為が発覚した場合、事案によって、弁護士を社内調査チームのメンバーに入れることは、法律的なアドバイスを受けられるなどのメリットがありますが、不正行為が発覚した場合には、認定された事実関係を基にしてその後の対応を決していくことになりますので、まずもって事実関係を正確に認定することが極めて重要です。
このような事実関係の正確な認定についても、事実関係の調査について豊富な経験をもつ弁護士が行うことが適任といえます。

参考報道:日本テレビ,外部有識者を含めた調査チームを設置

社内調査におけるヒヤリングの留意点①

2024-06-19

社内調査におけるヒヤリングの留意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも社内調査とは何か

社内調査とは、一般に、企業内で業務に関し、社員による違法行為や不適切な行為(以下、まとめて「不正行為」と呼びます。)が行われた場合、あるいはその疑いが生じた場合に、企業が主催者となって実施する調査のことをいいます。

社内調査の方法

社内調査のためには、事案に関連する資料を当該部署から収集し、確認をするほか、最も重要なものとして、社員に対するヒヤリングの実施があります。
もっとも、社内調査では、当然のことながら、刑事事件の捜査で認められる捜索差押えといった強制的な証拠物の収集手続きはありませんし、社員の身柄を拘束してヒヤリングを実施することもできません。
このように、社内調査にはそもそも限界があることにまず留意すべきです。

業務命令として、ヒヤリングはできるか

この点は、判例があり、最高裁昭和52年3月13日民集31巻7号1037頁に以下のような判断が下されています。

「そもそも、企業秩序は、企業の存立と事業の円滑な運営の維持のために必要不可欠なものであり、企業は、この企業秩序を維持確保するため、これに必要な諸事項を規則をもつて一般的に定め、あるいは具体的に労働者に指示、命令することができ、また、企業秩序に違反する行為があつた場合には、その違反行為の内容、態様、程度等を明らかにして、乱された企業秩序の回復に必要な業務上の指示、命令を発し、又は違反者に対し制裁として懲戒処分を行うため、事実関係の調査をすることができることは、当然のことといわなければならない。しかしながら、企業が右のように企業秩序違反事件について調査をすることができるということから直ちに、労働者が、これに対応して、いつ、いかなる場合にも、当然に、企業の行う右調査に協力すべき義務を負つているものと解することはできない。けだし、労働者は、労働契約を締結して企業に雇用されることによつて、企業に対し、労務提供義務を負うとともに、これに付随して、企業秩序遵守義務その他の義務を負うが、企業の一般的な支配に服するものということはできないからである。そして、右の観点に立つて考えれば、当該労働者が他の労働者に対する指導、監督ないし企業秩序の維持などを職責とするものであって、右調査に協力することがその職務の内容となつている場合には、右調査に協力することは労働契約上の基本的義務である労務提供義務の履行そのものであるから、右調査に協力すべき義務を負うものといわなければならないが、右以外の場合には、調査対象である違反行為の性質、内容、当該労働者の右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが労務提供義務を履行する上で必要かつ合理的であると認められない限り、右調査協力義務を負うことはないものと解するのが、相当である。」と判示しています。

この判示からすると、企業内の不正行為が、まさしく企業の職務に関連して行われたような場合には、当該社員に対して義務的にヒヤリングに応じるよう命じることができる可能性が高いといえます。しかし、そうでない場合には、どこまで義務付けられるかについては慎重に見極める必要があるといえるでしょう。

また、前述のように、当該社員がヒヤリングに応じようとしない場合に、物理的な強制をともなうような方法でヒヤリングを実施したり、社員に対し威迫的な言動でヒヤリングに応じるよう申し向けることは、企業の不法行為になりかねないことにも留意が必要です。

次回は、社内調査においてヒヤリングを実際に行う際の留意点について解説します。

最後に

社内調査をする際には、人証(関係者へのヒアリングなど)と物証(事案に関連する資料)の両方を調べることが必要となり、必要に応じて外部の専門家を利用することも考えられます。
事実を明らかにするためには、どれだけ証拠を集められるかが重要です。調査に慣れている弁護士に依頼して、社内の担当者と一緒に進めていくのがベストといえるでしょう。

社内調査の進め方についてご心配なことがある方やご不安なことがある方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。お問い合わせはこちらからどうぞ。

コンプライアンス体制の構築④

2024-06-14

【事例】

Aさんは、佐賀県唐津市で水産加工業を営む会社であるⅩ社の従業員です。
Ⅹ社では、インターネットでの通販を利用して自社の水産加工品を日本全国に販売することを目指しています。
しかし、Ⅹ社は、これまで自社の直売所での販売と地元の小売店への販売しかしていませんでした。
そのため、インターネット通販のサイトを開設する必要もあると考えていますし、購入された水産加工品を安全に消費者に届けなければいけませんし、消費者への輸送手段も確保せねばなりません。
また、事業拡大のために、銀行から融資も受けなければなりません。
このような山積する課題に対応する一環として、Ⅹ社では法務部を新設することになり、Aさんがそこの責任者となりました。
Aさんが法務部の責任者として最初に会社から指示された仕事は、X社のコンプライアンス体制を構築することでした。
しかし、Aさんは弁護士資格を有しているわけではありませんでした。
また、X社にはこれまで顧問として付いてもらっていた弁護士もいません。
そこで、Aさんは、Ⅹ社のコンプライアンス体制を構築するにあたって、あいち刑事事件総合法律事務所に相談することにしました。

1 はじめに

以前の記事で、法的リスクを細分化する必要性について解説してきました。
そして、今回の記事では、Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのかⒷ取っても良いリスクなのかを判断することの意味などについてより詳細に見ていきます。

2 リスクへの対応の濃淡

以前の記事で法的リスクを細分化してみていきましたが、その内容からわかるように、企業活動をするうえで必ず直面するものだと言っても過言ではありません。

このように必ずといっていいほどリスクには直面しますが、Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかを考えなければなりません。
なぜかといえば、漠然とリスクがあると捉えているだけでは、不可避的にリスクには直面する以上、リスクがあれば避けるというのでは何も行動できなくなりますし、どのようなリスクがあっても突き進むというのでは企業にいつか致命的なダメージを与えるリスクが顕在化することにもなりかねません。

そして、細分化したリスクがⒶ取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかは、いかなる企業にも当てはまる普遍的なものばかりではなく、企業ごとに影響する度合いには差があります。
例えば、裁判に対応するには費用が掛かりますし(以前の記事の④裁判に対応しなければならないリスク)、敗訴した場合には相手方に賠償をしなければなりません(以前の記事の③敗訴してしまうリスク)。敗訴した場合の差し押さえ等について裁判所HP
大企業にとっては深刻なダメージを与えない額であっても、比較的事業規模の小さな企業にとっては、裁判費用だけで企業運営に支障をきたす場合もあるでしょうから、こういったリスクはⒶ取ってはいけないリスクになります。
一方で、かかる費用や賠償額が少額の裁判でも、その裁判が世間の注目を集めるものであれば(以前の記事の⑤自社の評判が傷付けられるリスク)、比較的事業規模の小さな企業にはそれほどの痛手にはならないかもしれませんが、大企業には大きな痛手になる場合もあるでしょうから、この場合は大企業にとってはⒶ取ってはいけないリスクとなります。

今回は、法的リスクを細分化する必要性と対応の考え方についてより詳細に解説していきました。この続きは今後の記事で解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関わってきた経験を活かし、そもそも会社内で不祥事を起こさないための対応・アドバイスにも力を入れています。
コンプライアンス体制の構築などについてアドバイスをご希望の方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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法務問題へのコンプライアンス体制の構築③

2024-06-08

1 はじめに

以前の記事で、コンプライアンス違反に陥りやすい状況について解説してきました。
また、それ以前には、コンプライアンスとは何かについても解説してきました。
今回は、コンプライアンス上のリスクについて、より詳細に解説していきます。

2 法的リスクの細分化

以前の記事で、コンプライアンスとして求められているのは、㋐法律のようなルールだけでなく、㋑会社内のルール、㋒倫理的、道徳的なルールまで守ることではないかという解説をしました。
今回は、そのうちの㋐法律のようなルールを掘り下げていきましょう。

企業が抱えている法的リスクと聞いたときに、どのようなものをイメージするでしょうか。
企業の行動が①法令に違反するリスクでしたり、企業の事業を所管する行政庁から②行政処分などの規制を受けるリスクでしたりは、イメージがわきやすいのではないでしょうか。

その他にも、例えば契約違反だと取引先から訴えられたとします。
自社としては契約違反ではないと考えたとしても、契約書の文言の解釈の違いなどから、裁判所が取引先の主張を認めてしまうことはありますから、③起こされた裁判で敗訴してしまうリスクもあります
また、そもそも結果以前に④起こされた裁判に対応しなければならないリスクというものもありますし、裁判を起こされたことによって⑤自社の評判が傷付けられるリスクというものもあります。
また、契約する前段階だとしても、コストをかけたのに契約が破談になってしまったり、相手方に企業秘密が漏れてしまったりといった⑥契約交渉段階で生じるリスクもあります。

このようなリスクは、企業が活動をするうえで必ず直面すると言っても過言ではありません。
現に,様々な企業がリスクマネジメントについて体制を構築し,外部に向けて公表しています。
例 ソフトバンク

それでは、なぜ細分化する必要があるのでしょうか。
それは、リスクを細分化しないと、Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかといった判断ができないからです。
今回は、法的リスクを細分化する必要性について解説していきました。
Ⓐ絶対に取ってはいけないリスクなのか、Ⓑ取ってもいいリスクなのかを判断することの意味などについては、今後の記事で解説していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関わってきた経験を活かし、そもそも会社内で不祥事を起こさないための対応・アドバイスにも力を入れています。
コンプライアンス体制の構築などについてアドバイスをご希望の方は、一度、あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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企業と不正競争防止法

2024-06-07

回転ずしの運営会社の社長が転職前の競合他社の食材の原価や仕入れ先に関するデータを持ち出していた事件が大きく取り上げられました。

参考記事 

このような行為は不正競争に当たり、営業秘密を持ち出した個人だけでなく企業も責任を負うことになります。
ここでは、不正競争のうち、他人の営業秘密を奪う場合について解説します。

不正競争とは

不正競争防止法では、「不正競争」と定められている行為がいくつもあります(不正競争防止法第2条第1項第1号から第22号)。

冒頭の回転ずしの社長の事案は、不正の手段により営業秘密を取得する営業秘密不正取得行為又は営業秘密不正取得行為により取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為(同法第2条第1項第4号)に当たるものと考えられます。

この「営業秘密」とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」をいいます(同法第2条第6項)。

不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為又は管理侵害行為により、営業秘密を取得した者(同法第21条第1項第1号)、詐欺等行為又は管理侵害行為により取得した営業秘密を、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、使用し、又は開示した者(同項第2号)、営業秘密を営業秘密保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、①営業秘密記録媒体等(営業秘密が記載され、又は記録された文書、図画又は記録媒体)又は営業秘密が化体された物件を横領する、②営業秘密記録媒体等の記載若しくは記録について、又は営業秘密が化体された物件について、その複製を作成する、③営業秘密記録媒体等の記載又は記録であって、消去すべきものを消去せず、かつ、当該記載又は記録を消去したように仮装する、のいずれかの方法で領得した者(同項第3号)等は、10年以下の懲役若しくは2000万円以下の罰金に処され、又はこれを併科されます(同法第21条第1項柱書)。

「詐欺等行為」とは、人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいい、「管理侵害行為」とは、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス禁止法に定める不正アクセス行為、そのほかの営業秘密保有者の管理を害する行為をいいます(同法第21条第1項第1号)。日本国外において使用したり開示する等の目的で、詐欺等行為等により営業秘密を取得した場合は、10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金に処され、又はこれを併科されます(同法第21条第3項柱書)。日本国外に流出するような場合は、さらに被害が大きくなり、また経済安全保障を図れなくなりますので、罰金額もより大きくなっています。

不正競争に対する会社の責任

役員や従業員が不正競争を行った場合、企業も責任を問われます。

法人の代表者や従業者等が、法人の業務に関し、違反行為をした場合は、法人も罰金刑を科されます(同法第22条第1項柱書)。日本国外で使用する目的等のため、不正の利益を得る等の目的で、詐欺等行為等により営業秘密を取得する等の場合は、上記のように被害の大きさや経済安全保障の観点から、罰金額は高くなっており、10億円以下の罰金刑を科されます(同法第22条第1項第1号)。

それ以外の営業秘密の取得等の場合は、5億円以下の罰金刑を科されます(同法第22条第1項第2号)。

まとめ

このように、営業秘密の侵害に対しては、行為者だけでなく企業に対しても大きな責任が科せられる可能性があります。

営業秘密の侵害等不正競争についてお悩みの方、企業の営業秘密の管理運用についてご心配なことがある担当者の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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社内調査はどのような場合に行う必要があるのか

2024-06-05

社内調査はどのような場合に行われるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

そもそも社内調査とは何か

社内調査とは、一般に、企業内で業務に関し、社員による違法行為や不適切な行為が行われた場合、あるいはその疑いが生じた場合に、企業が主催者となって実施する調査のことをいいます。

社内調査の対象となる行為とは

この社内調査の対象となる社員による違法行為や不適切な行為(以下、まとめて「不正行為」と呼びます。)にはさまざまな種類があります。

まず、違法行為は、法令に違反する行為のことをいいます。
たとえば、インサイダー取引、粉飾決算などの金融商品取引法違反、営業秘密の侵害等の不正競争防止法違反、詐欺、横領、背任、窃盗等の財産犯があります。
これらの違法行為は、その社員は刑事責任を問われますし、法令に両罰規定があれば、企業自身も刑事責任を問われることになります。また、金融商品取引法などのように、行政処分を受ける場合もあります。

報道:社内調査で被害は1億7300万円 架空工事発注を巡る詐欺事件/SBSテレビ ライブ静岡

次に、「不適切な行為」とは、法令には違反している行為ではないが、会社の就業規則やその他規程類に違反する行為、社会通念上不適切と考えられる行為など、会社として何らかの対処を検討とする必要がある行為のことをいいます。たとえば、社員の情報漏洩、パワ―ハラスメント、セクシャルハラスメント、外部に向けた不適切発言などの行為があります。

社内調査が行われる場合

これら不正行為について、企業は、日頃の内部監査、内部通報、外部からの情報提供等を端緒として、社員の不正行為の存在を知り、あるいは、その疑いを抱いた場合に,社内調査を開始することになります。

社内調査は、企業内の不正行為に対して①再発防止のための原因究明②不正行為に関与した関係者の処分、③株主等外部の関係者への説明のために行われ、社内調査により、不正行為に関する証拠を収集し、不正行為の全容を解明していきます。

そして、企業は、社内調査の結果を踏まえて、不正行為に関与した社員に対して社内処分を行ったり、損害賠償等の民事責任の追及や、告訴・告発等の刑事責任の追及を行うなどの措置をとることになります。

すなわち、社内調査は、不正行為の発覚を契機にして、企業が不正行為に対する自浄能力を発揮し、新しい体制を構築するための調査ともいえます。

最後に

社員による企業内の不正行為が発覚した場合には、認定された事実関係を基にしてその後の対応を決していくことになりますので、事実関係を正確に認定することが極めて重要です。

このような事実関係の正確な認定は、事実関係の調査について豊富な経験をもつ弁護士が行うことが適任です。

さらに、両罰規定のある犯罪については、企業自体が被疑者・被告人とされ得るため、企業としては、早期に弁護士に刑事弁護を依頼し、不祥事によって企業が受ける被害を最小限にとどめることが肝要といえます。

社内調査,不祥事対応には刑事事件に強いバックグラウンドを持つ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。警察OB等から構成された外部団体とも提携し,適切な対応をアドバイスします。
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