景品表示法違反

不当景品類及び不当表示防止法とは

不当景品類及び不当表示防止法(景表法。以下特に断りがない限りはこの法律です。)は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的としております(第1条)。

内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができます(第4条)。

事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次のいずれかに該当する表示をしてはなりません(第5条)。

  1. 優良誤認表示

    商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

  2. 有利誤認表示

    商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

  3. 前2号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

内閣総理大臣は、上記の景品類の制限若しくは禁止又は不当な表示の禁止の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができます(第7条第1項)。

この命令に違反した者は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されることになります(第36条第1項)。

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても罰金刑を科されることになります(第38条第1項)。

法人でない団体の代表者、管理人、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して、違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その団体に対しても罰金刑を科されることになります(第38条第2項)。

第36条第1項の違反行為については特に重く、3億円以下の罰金となっています(第38条第1項第1号・第2項第1号)。

違反があった場合においては、その違反の計画を知り、その防止に必要な措置を講ぜず、又はその違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた当該法人の代表者に対しても罰金刑を科されることになります(第39条)。

違反があった場合においては、その違反の計画を知り、その防止に必要な措置を講ぜず、又はその違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた当該事業者団体の理事その他の役員若しくは管理人又はその構成事業者に対しても、罰金刑が科されることになります(第40条第1項)。

事業者団体の理事その他の役員若しくは管理人又はその構成事業者が法人その他の団体である場合においては、当該団体の理事その他の役員又は管理人に罰金刑が科されることになります(第40条第2項)。

内閣総理大臣は、第7条第1項の規定による命令、課徴金納付命令又は第28条第1項の規定による景品類の提供または表示の管理上必要な措置を講ずべき旨の勧告をするため必要があると認めるときは、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し、その業務若しくは財産に関して報告をさせ、若しくは帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又はその職員に、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができます(第29条第1項)。

内閣総理大臣からの命令による報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、1年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されることになります(第37条)。

法人等にも罰金刑が科されます(第38条第1項第2号・第2項第2号)。

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