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企業犯罪・不祥事危機管理には専門家のアドバイスが重要
会社を経営していく中で、様々な問題が出てきます。
新規事業の開拓や資金集めなど経営自体に関係する問題だけでなく、取引先とのトラブルや製品から生じた事故の処理、従業員が起こした不祥事に対する対応なども日々直面する可能性がある問題です。
特に、刑事事件や損害賠償請求の対象となるような事案に関しては、対応を誤ると予想外に大きな損失を生んでしまうことになります。
企業活動に関連して刑事事件が発生した場合や、役員・従業員による不祥事があった場合に、警察に届け出た方がよいのか、損害賠償を請求したり示談に応じた方がいいのか、捜査への対応をどうしたらよいのか、マスコミへの対応をどうしたらよいのかなど様々な悩みや不安が生じることが考えられます。
企業犯罪や不祥事に対する危機管理体制を構築したり、実際に企業犯罪や不祥事が起こってしまった場合への対応を協議したりする際には、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要となります。
企業犯罪とは
企業犯罪とは、企業活動に関連して発生した刑事事件のことを指します。
企業犯罪の主な例としては、製品の欠陥による事故が起こった場合の業務上過失致死傷罪や、架空の経費を計上して法人税を免れるなどの各種税法違反、指名競争入札にあたっての談合や賄賂などの官製談合防止法違反や贈賄罪などが挙げられます。
また、企業側が加害者となるものだけでなく、取引先からの詐欺や役員による特別背任など企業側が被害者となる場合も考えられます。
特に役員による特別背任やインサイダー取引などは、企業側に責がないにも関わらず、報道されたりすることによって、企業に多大なダメージとなってしまう可能性があるため、発覚した段階から先の手続やその影響を見据えて対応を考えていく必要があります。
さらに、従業員らの私生活上の行為について刑事事件が発生した場合にも企業のイメージなどに悪影響が出る場合もあります。
例えば、配送業の運転手が飲酒運転を起こした場合や上場企業の役員が児童買春をした場合などはその内容からして報道されてしまうと企業イメージの失墜につながりかねない場合があります。
そのため、純粋な企業犯罪とはいえないものの、企業が被害者になる場合や役員・従業員が起こした刑事事件に対する対応も企業犯罪の一種として対応や対策を考えておく必要性が高いといえます。
不祥事とは
企業犯罪と違い、刑事事件にはならないものの、損害賠償の対象となったり、企業イメージや信用を失墜させたりするような行為を指します。
不祥事の具体例としては、顧客情報が外部に流出してしまったり、管理システムの異常により会社が提供しているサービスを利用できなかったり、パワハラやセクハラなどのハラスメントなどが考えられます。
顧客情報の流出などは規模がそれほど大きくなくても事実を公表しなければならない事案といえますので、情報流失した顧客への対応や信用回復、マスコミ対応など考えなければならないことがたくさんあります。
また。ハラスメントなどは企業内での解決ができる問題かもしれませんが、対応を間違うと内部告発があったり社員が会社を離れてしまうことを助長してしまうことになったりと損失が大きくなることが予想されます。
企業犯罪にあたらない不祥事レベルの話であったとしても、その対応や予防のための対策をしっかりと考えておかないといけません。
危機管理とは
企業犯罪や不祥事が起こった場合に、適切に対応することは当然必要ですが、そういった事案は突然起こるものです。
そのため、急に適切な対応をとることは困難を極める場合が多くあります。
特に刑事事件となれば、スピードが命です。
捜査への対応やマスコミ対応など早急に対応できるかが損失をどれだけ少なくできるかに大きく影響します。
また、企業犯罪や不祥事が起こらないように予防策を構築しておくことも重要になります。
企業犯罪や不祥事が起こる前に予防策を講じ、もし企業犯罪などが起こった場合の対応マニュアルを作っておき、実際に起こってしまった場合には適切な対応を迅速に行えるようにしておく体制を構築しましょう。
こういった事前事後の対応を行っておくことが危機管理として重要です。